聴覚保護具の分類
聴覚保護具を大きく分けると、耳の穴にいれる耳栓と、耳全体を覆うイヤーマフ(耳覆い)があります。どちらを使用するかは作業の性質や騒音の性状で選択します。騒音の大きなところでは耳栓とイヤーマフ(耳覆い)を同時に使用するとより効果的です。
聴覚保護具の選択
聴覚保護具は、騒音性難聴を防止するための保護具です。騒音性難聴を防止するためには、イヤーマフ(耳覆い)であっても、耳栓であっても
①装着者の耳に適したものを選択する
②正しい装着方法で装着する
③適切な保守管理を行う
ことにより、聴力障害の発生及び進行を防止することが可能です。聴覚保護具の選択においては、ばく露される騒音レベルに応じて、適切な遮音性能を持つ保護具を選択します。この時、耳栓の場合、装着した耳栓がどの程度遮音できているかを確認することをおすすめします。(遮音効果を測定する計測器として「耳栓チェッカー」「3M™ E-A-Rfit™ 遮音性能測定器」等があります。)
聴覚保護具の正しい装着方法(耳栓の場合)
耳栓にはいろいろな形をしたものがありますが、これを外耳道(耳の穴)に挿入する方法は次のようにします。
1、外耳道は一般に上図のように曲がっています。
2、耳栓を挿入する場合には、例えば右耳に挿入する時は、右手で耳栓の端を持ち、左手を頭上から回して、耳たぶの上部をつまみます。
3、左手でつまんだ耳たぶを軽く上へ引き上げます。外耳道に入れやすくなりますので、耳栓をねじ込むようにして挿入します。
4、上図は耳栓がきちんと挿入された状態です。
聴覚保護具の保守管理
- 1.イヤーマフ(耳覆い)の場合は、カップ及びスプリング(ヘッドバンド、ネックバンド)に形状、機能が損なわれていないことを確認します。
- 2.耳栓のうち水洗いできるものは、洗って再使用できます。
- 3.耳栓のうち、丸めて外耳道に挿入する発泡型(フォームタイプ)は、原則、洗って再使用できません。